石田さんのマレーシア便り bP1

  

 中学7年生って落第生の事???

 

以前お話しました様に この国マレーシアは戦前ポルトガルやイギリスの植民地でした。 

1957年8月31日にイギリスより独立しましたが 学校制度はイギリスの影響を受けており

日本とは少し違います。 まず幼稚園は文部省の管轄ではなく全て厚生省の管轄で日本の

保育園に相当します。 文部省管轄でない事から特別な教員資格がいらず必要な条件さえ

満たせば誰でも園長先生や保母さんに成れるようです。 通常長屋式一戸建て住宅のコー

ナーハウスに設けられる事が多く園児も20,30人と余り多くないようです。 (マレーシアは

スズ鉱の大きな一枚岩盤の上に乗っており  険しい山が無く全体になだらかな為国土の

70%以上が住宅や畑に使えます。 その為高層マンションを建てるより10軒ぐらいの家を

まとめて長屋式にした方が安くこれを分譲しています。 それでコーナーの家だけ前後の庭の

他に50坪、100坪のオマケの土地が横に付き これを幼稚園の庭などに利用しています。)

 託児所(ベビーシッター)は働くお母さんの為 個人のパートタイム仕事になっていますから

学校とは程遠い存在でしょう。 ともあれ幼稚園は私立だけで 月謝も余り安くないようでここに

通わすことの出来る家庭は 中流以上の家庭と言えるでしょう。 

 

次に小学校ですが日本と同じで1年生から6年生までが同じ校舎で学びます。 前回小学校

はマレー語で授業が行われますと説明しましたが 各州(各県)に一校位の割合で公立の中華

・タミール(インド人)学校があり 希望する子供は北京語、タミール語で授業が受けられます。 

勿論卒業時の全国一斉テストは公用語であるマレー語で実施されますから入学と同時に平行

して学びます。 広東出身の中国人の場合両親の母国語である広東語や中国人の標準語で

ある北京語の他 英語にマレー語を小学校に入学と同時に習うのですから 語学の苦手な私

にはその難しさがちょっと想像つきません。 一般のマレー語授業の小学校でも英語の他に

マレーの子供だけアラビア語がイスラムの授業に必要です。 こんな訳でどの人種の子供でも

小学校に入ったとたんに 母国語以外の他2つ以上の語学学習があるのですからこれは大変な

事です。 もっとも日本の子供もひらがな、カタカナ漢字と習い始めるのですから大変ですが

それを全部使って新聞や本が読めるようになるのですから構わないと思います。 しかしここの

子供は習った道具を言語別に使い分けしなければいけないのですからもっと大変でしょう。 

外国人がよく日本語学習は難しいと言いますが 日本語習得には漢字、ひらがな、カタカナ

と沢山の道具が必要だからと云う理由からでしょう。

 それともう一つ変わった制度に飛び級があり 3年を終え成績のよい子は一気に5年生に

なれます。 ただ私がこの国に15年間居てもそんな話題を身近で聞いた事がないのですから

よほどの秀才でないとこの恩恵は受けられないのでしょう。 そんな訳で飛び級をどんな基準

で誰が決めるのかは判りません。就学のスピードに子供の個人差があるわけですから とても

よい制度だとは思いまが。。。 

 

小学校を終えると次に中学に入りますが 日本とは違い中学1年生から6年生までが同じ

校舎に通います。中学3年が終了すると全国一斉テストが行われ 結果が出るまで二ヶ月間

の長い休みになります。 日系会社の駐在員の頃 工場に非常に若い子が入り結構良く働く

なと思っていたら突然いなくなり不思議に思った事が有りましたが 試験の結果待ちの間アル

バイトに来て 試験に合格して4年に進級する為急にいなくなったとの事でした。中には試験

に落ちて小卒でそのまま会社に居着く子供のいる事が後から聞いて判りました。 中卒試験

にはリターンマッチが無く小卒の学歴のまま社会に放り出されるのですから その子の将来

にはちょと可愛そうな気がします。 試験に無事受かると4年に進級出来ますが ここからは

日本の高校に相当しますので働くことも可能ですがほぼ100%の生徒は進級するようです。

 中卒試験に合格した生徒には4年生に進級する他に もう一つの選択肢があります。 

それは工場の技術者や職人を目指して公立の専門学校に入り機械や電気などを専門に

勉強します。 日本の工業高校と言ったところでしょう。 ただ専門学校の数が全国で20校

余りと少なく 全て全寮制になっているようです。 中学5年や専門学校の2年間を終えると

年度末に試験がもう一度あり 受かると高卒、落ちると中卒の学歴となります。 試験に落ち

たり6年生になれない生徒はすぐに働く事が出来ますが 翌年に試験を再チャレンジ出来る

制度があり 一年間自宅や学習塾で勉強します。 翌年も続けて落ちた生徒は高校過程を

終えても学歴は中卒のままですから これも生徒には気の毒な事だと思います。 ここで試験

に受かった生徒の進路には色々な選択肢が有ります。 まず限られたトップクラスの生徒には

大学からお呼びが掛かり 日本より一年若い17歳の大学生が誕生するのです。 合格者の中

で一定以上の点数を取った生徒は6年に進級出来ます。 6年生にはローアーとアッパーの

二年間があり一年目の試験に受かるとアッパーに進みます。 アッパーは実質的に7年生です

からタイトルの答えは落第生ではありませんが正解です。 一つの校舎に大人になりかけた

18歳までの上級生が君臨しているということは やんちゃなイチゴ世代の非行いじめなどを

抑えるにはもってこいの制度でなかなか良いと思います。 いじめや非行問題に頭を痛めて

いる日本の現状を見ると 教育審議会の様な所でこの制度を取り上げて検討されたら良いか

と思います。 中学6年生は日本の大学の一般教養過程に進む為の準備段階に相当し アッ

パー試験に受かると成績次第で直接大学の二年生になれます。 アッパー試験は日本の大学

入試と同じで大学入学可能な点数を取れるまで何度でもチャレンジ出来ます。

 もう一つの選択肢に5年もしくは6年を終えてから私立の単科大学や専門学校に行く方法

があります。 いずれにしても毎年のように試験があり 敗者はどんどん振るい落とされるの

ですからマレーシアは怖い国ですね。 ただ国が教育にかける予算の都合で小中学校が

早番遅番の二部制になっており そして翌年には反対のセッションになります。 いずれにし

ても学校にいる時間が休憩時間を含めて6時間位しかなく 全体的に見てちょっと余裕が無

いような気もします。

 

大学はつい最近まで国立の七校位しかなく 卒業すると各界のエリートの座が保障されて

いました。 最近では日本の二期校の様な感じで各州に州立大学が次々と創設され大学

卒業生も結構沢山いますから 段々超エリートではなくなってきています。 大学は専攻学科

により一年間の予備課程を含め三年制、四年制があり履修科目に全部受かると学士の称号

が貰えます。 短大卒の修士は学校が全て私立でレベルも様々ですので 社会的評価も余り

高くなく会社に入っても平社員からスタートしますが 大卒は通常係長ぐらいからスタートします。

 最近は教育の間口が広くなったとは言え 厳しい競争社会に勝ち残り高い所得を得る為

本人も家族も一生懸命です。 まさに受験戦争真っ盛りといったところで教育に関しても日本で

自分自身の歩んだ時代のコピーを眺めている感じです。

 

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  石田さんのマレーシア便り Buck No.

10 ちょっと恥ずかしい話

9 イスラム教ってなに?

bW マレーシアは何でもあり

bV 町に魚屋と肉屋がない

6 この国の国語はどうなっているの ?

bT 一年350日は雨降り  

bS 旅行社の宣伝文句トロピカルフルーツ

bR 飛行機が嫌いな果物

bQ 会社のトイレに紙がない

bP マレーシアには4回正月が来ます