卒業記念講演

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北澤豪氏

元サッカー日本代表、東京ヴェルディ1969OB

     ***** なせばなる *****

 私は高校卒業後 サッカーをめざして本田技研に入社しました。

普通に試験を受け、「趣味趣向はデザイン」と答え、塗装課にまわされました。

半日仕事、半日サッカー。

サッカーをするために入ったのに2年間試合に出られませんでした。

試合に出たい、そのために練習をしたい、仕事を休ませてくれと監督に言いました。

監督からは 「社会のルールを学べ、その中でサッカーでどこまでできるのか学べ」 と言われ、

それからは酒の場や工場などで先輩に色々人間関係を教えていただきました。

 当時、プロも無かったサッカーで飯が食いたかった。

大学に行けと親から言われましたが、サッカーをやるため本田技研に入りました。

しかし、試合にも出られず自分のチームのゲームも見られず、

他のチームのビデオを撮ってました。それでも自分の目標をきめ練習をしていました。

 そんなおり、親父に相談しました。

「一生懸命やっているのは解る。子どものサッカーから大人のサッカーに変わるとき。

自分がどういう人間でどういう選手かわかっているのか。

自分のいいところ、悪いところは解っているのか」 と言われました。

”人に評価されるのではなく、自分に何ができて、何ができないか。”

それから成功した理由、失敗した理由を書き連ねるようにしました。

「自分が何をしなければいけないか」 わかってきて、自分でプランをたてるようになりました。

2年後から4年までの間、試合に出られるようになり、最後の年は得点王をとることができ、

日本代表にも選ばれました。

ちょっとした差だだったと思いますが自分で考えるサッカーができ、それで成長できたと思います。

 本田技研はJリーグを目指さないことになったため、読売サッカークラブに移籍しました。

自分の夢、サッカーをやりたい、ワールドカップに行きたい、という夢を実現させたい。

そのためには当時最強だった読売サッカークラブに移籍することを選びました。

他にレギュラーを保障してくれるオファーもありましたが、

チャレンジ・夢見る心をぶつけるため読売サッカークラブを目指しました。

 カズさん、ラモスさん、武田さんがいて、数々の名プレーヤーがいて、

そこには自分の入る隙が無いと思いました。

そこはプロの世界、ポジションの競い合いは激しいものでした。

紅白戦ではポジションを取られないようにと、他のレギュラーからボールがまわってきませんでした。

 移籍後の初めての大会、決勝で本田技研と対戦、2対2 の場面でグランドに出ました。

自分のアシストで「カズ」がゴールできました。

本田も喰らいついて 3対3。

今度は「カズ」のアシストでゴールできました。

このゴールで得たタイトルからチームに迎え入れられた感じがしました。

自分の力を発揮しないと認めてくれない、これがプロスポーツの世界です。

ミスを恐れずチャレンジを。チャンスの瞬間をものにする。

瞬間に出会うまでやり通すこと、それが能力だと思いました。

継続すること、準備することで不安を持つか、自信を持つかに繋がります。

ヴェルディのレギュラー、日本代表になれ、94年アメリカワールドカップ予選にも参加できました。

あごの骨折、疲労骨折などの挫折があり、そこからようやく復帰。

イラクとの戦いで、1点を守りきれば、というところで、残り10秒でゴールされ同点、

ワールドカップ出場の夢が断たれました。

わずかの差 「数センチの差」これは何だったのか。

次のワールドカップに向かって積み重ねるしかありませんでした。

サッカーのグランドは白い線で囲まれていて、その線の巾は12センチです。

その12センチのラインに囲まれた場が自分を証明していく場だと捉えてきました。

どうすれば突破できるのか。4年かけてようやく埋めることができました。

しかし、直前でメンバーからはずされてしまいました。

サッカーを取り上げられたと思いました。自分の夢を閉ざされたと。

それでもこのままでは終わりたくないと、この挫折を推進に変えてきました。

皆さんも目標に向かって、挫折を、マイナスをポジティブに変え、推進力に変えてください。

やり続ける事を、奨学生生活で得たと思います。

 

 足の怪我もあり昨年引退しました。

私も今日の皆さんと同じように卒業・新しい出発と捕らえました。

あらゆるものにチャレンジしようと思っています。

一番大切なものは自分の人生を楽しく過ごせるか、目標を作れるかということ。

あらゆるものにチャレンジしていけばそういうものが出来上がってくるんではないかと思います。

自分はサッカーをやり通すことができて幸せでした。

12センチの向こうが自分自身を証明する場だと捉えてきましたが、

12センチのラインを乗り越えようとチャレンジすること、し続けることが大切だと思います。

自分の目標を設定し、それに向かって自分が今どうあるか、自問自答して。

 大事な人たちとの出会いがありました。

自分が半分、あと半分は廻りの方に育てられたと思います。

皆さんも奨学生生活の中でいろんな方に支えられたと思います。

この先も自分の目指すものに突き進むのも大事ですが、その中でいろんな人との出会い、

自分を助けてくれる人との出会いがあります。その出会いを大事にしていただきたい。

今日のこの話も皆さんのお役に立てれば良いと思います。

皆さんがやってきたことはすばらしいこと。きっと自分の思うこと目標に到達できる力を持っています。

引き続き、また社会に出た中で厳しい中にも立ち向かえる力を持って進んでもらえたらと思います。

本日はご卒業おめでとうございます。

 

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