講師

OB会顧問二村健次郎氏

士魂、大和心、農作物を自らの手で、易占いまで。
たくさん語ってくださいました。

美意識についての補説
   氏の著書「留魂人を動かす、三島由紀夫・中野正剛偏」の補説
  氏の資料を抜粋します。

815日の読売新聞に広告が載りました。
「八方塞がりの日本の現状を打開する士魂を呼び覚まし新しい世代の柱にせよ、云々」
版元からの連絡に違和感を感じなかったが活字になったのを見て「しまった」と思った。
「士魂」と私のいう「美意識」とは少し違います。

志士の魂「士魂」は殷の時代から認識されていました。
「士」は男性のシンボルのこと。
志士とは孟子にも出てきますが、正義の為に尽くす節操を忘れない人です。
「志士は溝壑(コウガク、谷あいのこと)にありて忘れず、勇士は其元を喪えども忘れず」吉田松陰が好んで使った言葉でした。

私が
「留魂人を動かす」のテーマにしたのは士魂でなく広義の大和心でした。
それを美意識という言葉に置き換えたのです。

日本の歴史を振り返ってみますと中世・近世では大体
300年周期で繁栄の頂点がきています。
10世紀末からの藤原道長に代表される時代を第1期。
2期は足利義満時代。
3期は元禄時代。
現在は第
4期の繁栄のただなかにあります。
世界中から物資が流れ込み、思いもしなかった飽食の時代を迎えています。
世界狭しと駆けめぐる繁栄を頂点といわずして何を頂点というのでしょう。
すでに八方塞がりの声が巷にみちあふれています。
いたずらに悲観的な言辞をろうするわけではありませんが、周期的な歴史観からすれば、今後の日本の300年は衰退期の山や谷の連続です。
それを乗り切るには今までみたいな繁栄期の待望論だけでは無理だと思います。
下降気流を上昇気流にのせるには否応無しに私が否定され、公が優先されます。
公の精神にそった民族の団結力、その核になったのが日本の場合日本人の「美意識」であったから過去においても滅亡の崖っ淵から再生できたと考えるのです。
私のいう美意識とは大和心であり、大和心とは日本人が古来から受け継いできた惻隠の情であり、もののあわれを知った人間であることを前提にして本日の結論を出します。
それは敬愛する先人の行動をしらべ、部分的でも良いからその人の真似をすることです。真似が続けばやがては自分のものになり、先人を追い越せます。